背中を押して
昨日、会社で同僚が突然「まめりん、聞いて、あたし昨日、無駄遣いしちゃったの!」と言い出した。
どうしたの?と聞くと、「1冊880円する愛蔵版「動物のお医者さん」を買っちゃったんだよー。迷ったんだけど、どうしても読みたかったんだもん。でも高かったの!」との事だった。
- 作者: 佐々木倫子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2013/10/04
- メディア: コミック
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おお、こんな愛蔵版が新発売されたのね。道理で文庫版が書店やブックオフから姿を消したはずだよ。私も最近ずっと「動物のお医者さん」が読みたくて、買おうかどうか迷っていたんだよ!
ひとしきりそんな話で盛り上がり、「これは無駄使いじゃない!息子さんにも読ませることのできる素晴らしいマンガだもの!」と断言したら、同僚は顔を輝かせて「そうだよね!ありがとう!」と言ってくれた。
それで思った。そうだ、人はこうして背中を押して「大丈夫だよ」と言ってもらいたいものだよな、と。
ここ最近、私が「コートは着ていいか、ボアシーツは出していいか」とくよくよ悩んでいたのだって、ただただ誰かに、背中を押して「大丈夫だよ」と言ってもらいたかったのだもの。
昔、芝居のチケットを売る仕事をしていた時に、若い子たちによく言ったものだ。「私たちの仕事はね、お客さんの背中を押してあげる仕事なんだよ」
お客さんは芝居が見たくて劇場まで来ているんだから、どうしようかなって迷っていたら、ここが見やすいよ、楽しい作品ですよ、とポンと背中を押してあげれば、安心してチケットを買っていくのよ、と。
その経験を生かして、同僚の背中を優しく押し、「大丈夫だよ」と言ってあげることのできた私は、その嬉しそうな笑顔に背中を押され、安心して、文庫版中古の「動物のお医者さん」全巻セットを3000円でポチっとしたのでありました。
む、無駄遣いじゃない!!
- 作者: 佐々木倫子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2010/11/01
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