90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

映画・ドラマ・舞台

君が通り過ぎたあとに

7月後半、ずっと夏風邪が治らず、ひきこもってぼんやりしていた。 そんなわけでワタクシともあろうものが、この夏の高校野球神奈川県大会はTV観戦だった。球場に一度も行かない夏なんて何年ぶりだろう。ここ数年毎年撮ってる円陣も今年は撮れず。無念。 雨天…

お前の道を

その昔、「ラストソング」という映画があった。ミュージシャンを目指す若者の青春物語で、いよいよバンドが九州から上京しようとする中、ビビる吉岡秀隆に本木雅弘がキメ顔で言うのだ。 「俺がお前の道を照らしてやるよ」ラストソング [VHS]出版社/メーカー:…

2D・3D

ある朝、何の話のついでだったか、課長が言った。 「僕が若い頃にはね、一生懸命お金をためてステレオのラジカセを買って、電車の音を撮りに行ったんだ」 あら、課長、撮り鉄みたいな感じだったんですねー、と笑ったが課長の言いたいことはそういうことでは…

命みじかし

チャンスの神様は前髪しかないから、やってきた時にすぐに前髪をつかんでおかないと、振り向いて掴もうとしても手が滑って掴めないんだそうだ。 初めてそれを聞いたのは中学生の頃で、友達とお弁当を食べながら「どんな髪型だよ」「相当脂ぎってるね」と笑っ…

もしもピアノが弾けたなら

思いのすべてを歌にして きみに伝えることだろう。DREAM PRICE 1000 西田敏行 もしもピアノが弾けたならアーティスト: 西田敏行,桃井かおり,阿久悠,池田充男,喜多條忠,みなみらんぼう,坂田晃一,飛澤宏元,木森敏之,山本寛之出版社/メーカー: ソニー・ミュージ…

コリンの星

ゆうこりん、こと小倉優子さんはかつて「こりん星からいちごの馬車でやってきた」と発言していたが、今やあれは彼女にとって黒歴史なんですってね。ゆうこりんがこりん星を卒業した今頃になって、本当に何を今更・・・という感じではありますが、わたくし、どう…

思い残し切符

イーハトーボの劇列車作者: 井上ひさし出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/12/06メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る去年の秋、井上ひさしの戯曲「イーハトーボの劇列車」を見てきた。井上ひさしが敬愛する宮沢賢治の生涯を描いた作品だ。 この…

狂気と芝居

もうずいぶん前に取り壊されてしまったが、昔、横浜駅西口のステラおばさんのクッキー屋の2階にキャメルと言う名の喫茶店があった。 大学の帰りにふらっと立ち寄ってコーヒーを注文したら隣の席のおばさんが何やら真剣に話し込んでいた。 「そんなこと言った…

The Big Bang Theory

今更、海外ドラマ「ビッグバン★セオリー」にハマっている。 不器用で純粋なオタク青年たちが可愛らしくて痛々しくて面白い。 コンプリート・ボックス (10枚組) [DVD]" title="ビッグバン★セオリー コンプリート・ボックス (10枚組) [DVD]">ビッグバン★セオリ…

フェティシズム

小さな頃の弟は、父の脛と自分の脛を見比べて呟いたものだ。 「あーあ、オレも早くおとな毛生えたいなあ」 おとな毛っていうのか、ああいうの。でも確かに大人になると生えてくるんだものね、おとな毛だね。そんなおとな毛が生えはじめる小学校高学年の頃か…

運命と美しさ

坂口安吾は「堕落論」の中で東京大空襲について触れ、こう書いている。 「けれども私は偉大な破壊を愛していた。運命に従順な人間の姿は奇妙に美しいものである」 「あの偉大な破壊の下では、運命はあったが、堕落はなかった。無心であったが、充満していた…

愛される理由

オンディーヌ (光文社古典新訳文庫)作者: ジャンジロドゥ,Jean Giraudoux,二木麻里出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/03/12メディア: 文庫 クリック: 10回この商品を含むブログ (19件) を見るジャン・ジロドゥ作の戯曲「オンディーヌ」の主人公オンディー…

強い物語

すぐれた作家というのは無数の読者から「どうして私のことを書くんですか?」といういぶかしげな問いを向けられる。(中略) おそらく読者は物語を読んだあとに、物語のフィルターを通して個人的記憶を再構築して、「既視感」を自前で作り上げているのである…

名作の証

子供の頃、あまりテレビを見せてもらえなかった。だから時折家族で金曜ロードショーなどを見る時は、ものすごい集中力を発揮して見たものだ。それこそ昭和の人たちのようにテレビの前で正座し、前のめりになって息を詰めて、CMになれば猛ダッシュでトイレに…

何とも言はばいへ

今月上旬、早稲田松竹でルキーノ・ヴィスコンティの「山猫」と「ベニスに死す」の2本立て上映があったので行ってきた。 上映時間が5時間を超える長丁場なので、クリームパンを持参して。 個人的に「山猫」の方が好みであった。オープニングの時点でもう、そ…

生きている身体

以前にNHKの「バレエの饗宴」でNoismというカンパニーのダンスを見て、心を奪われた。 それからずっと、いつか見たいと思っていたのだけれど、活動の拠点が新潟なのでそうそう見に行くこともできずにいた。 そのNoismの主宰者の金森穣の作品「Solo for 2」を…

秘密

KAKUTAの「秘を以って成立とす」というお芝居を見てきた。 数年前に、人に誘われて初めてここの公演を見て、脚本の旨さに感心した。 脚本を書いている桑原裕子さんは私とほぼ同い年くらいなのだろうと思う。 だからこそ、「ああ、この人とは見てきた時代が同…

ライスカレー

高校生の頃、昼休みには部室で、誰かが粗大ゴミから拾ってきたテレビを見ていた。 テレホンショッキングから「金子信雄の楽しい夕食」というのがお決まりのパターンであり、誰もその流れに異議を唱える者はいなかった。 見どころはもちろん、信雄がどんどん…

こういうもんだ!

子供の頃に親に付き合って「ライスカレー」というドラマを見ていた。 全然意味はわからなくて、覚えているのはログハウスが出てきたことと「ライスカレーとはこういうもんだ!」という熱い説明が繰り返されていたことだけ。先日の八天堂くりーむパンのおいし…