90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

泡沫

排泄と礼節

おかげさまで無事にスペインから帰って来ました。 テロだとか、飛行機事故だとかのニュースの多い昨今、なんかもう絶対生きて帰ってこれないような気がして、神社にお参りまでしていたので、帰ってこれたのが奇跡のような心持ち。これが時差ボケってやつなの…

薔薇の運命

あっという間に7月か。 常日頃はヒマをもてあましている仕事がバタバタと忙しく6月はあっという間にすぎ去った。 7月に入ってもまだ6月の後始末をし、落ち着けば魂が半分ぽわーんと抜けかけた状態のまま 「あ、今日は小中学生の頃、大好きだったフジイくんの…

千夜一夜物語

あれはリーマンショックの頃。 人生初の転職活動に勤しむも、ことごとくお断りされて泣いたり落ち込んだり生活の不安に怯えながら、その不安を振り払うかのように私は保存食作りに夢中でありました。 こんな本も買い込んで。季節の保存食―いちごジャムから梅…

踊らされる阿呆

あれは堺正章が岡田美里と離婚することになった時のことだ。社食でお昼ごはんを食べながら先輩が「岡田美里ちょっとおかしくない?」と憤っていた。そしてモノマネをしてくれた。 「お中元やお歳暮が山のように届くんです!毎日柿が届く苦痛がわかりますか!…

私は貝になりたい

貝にな! …この前築地に行ったもんで貝の写真なんかいくらでもあるんだぜ。*さて、先日は相撲ファンの先輩つるちゃんと夏場所初日に行ってきた。 幕下力士の取組を横目に昼間からビール飲んで焼き鳥食べて、しみじみと語り合う。 「昔は関取なんてみんな自…

奥の細道

明日からGWか、1年て早いわねえ、やれやれ…と思いながらマキシスカートの丈上げにいそしんでいた4月28日、20時30分。 1通のメールが舞い込んできた。タイトルは「稽古総見」 劇団勤務時代にはよく耳にした懐かしい言葉だ。しかし舞台ではなかった。 「まめ、…

春のパンまつり

北斗の拳風に言うなら199X年、私たちはお気楽な田舎の学生で、友達の運転する軽自動車にぎゅうぎゅうに乗り込んでglobeなんかを大音量でかけながら農道を疾走し、夜中のすかいらーくガーデンズでお代わり自由のパンを何度も何度もおかわりして、「笑う犬の冒…

あたりまえ

この春のセンバツ高校野球の選手宣誓は小豆島高校の主将だった。 正直センバツの出場チーム選考には「大人のいやらしい思惑」が見え隠れしている気がしてしまうし、その上、宣誓文には更に「高校生らしく爽やかなキレイゴト感」を求める大人の視線を感じてし…

せきとり

今年は久々にオザケンのライブがあるのだけれど、見事にチケット申込みすべて外れた。前回のライブも全部はずれた。岡村靖幸のライブも全部はずれた。 そんな訳でチケット予約抽選なんて一生当たらないのではないかと思っていたけれど、めでたく大相撲五月場…

普通の会社

以前に勤めていた会社は小さなワンマン経営の会社で、求人雑誌に有り体の表現をするなら「アットホームな職場」だった。社員数も少ないので大抵の人の名前は聞いたことがあったし、アットホームなだけあって「ご家庭か!」と言うようなおかしな事も多かった…

我以外皆我師

昭和の校長先生たちはしょっちゅう、このタイトルに使った言葉を朝礼などで口にしたものだ。私もご多分に漏れず、小学校の朝礼で校長先生に言われた。 それにしても、いまだに覚えているということは、校長先生のお話はそれなりに影響力のあるものなのだな、…

想像力より高く

寺山修司が「どんな鳥も想像力より高く飛べる鳥はいない」という一方でバイロンは「事実は小説よりも奇なり」と言うし、大江健三郎は「読書による経験は、言葉の正統なる意味あいにおいて、経験であるのか、読書によって 訓練された想像力は、現実への想像力…

春霞

菜の花を見ると必ず「菜の花畑に入日薄れ見渡す山の端霞み深し」という唱歌を思い出す。 あの歌を習ったのは小学校5年生の春だ。 5年生からは音楽の授業が音楽室で行われる。 休み時間に忙しなく「次移動だよ!」なんて友達と口にすることで、まるで大人にな…

おなかいっぱい

私が学生だった頃、母が地元の歌人のおじいさん(通称:ノボル)から短歌を習っていた。短歌の会合の後でノボルとどこかでお茶をしたり、ご飯を食べたりして帰ってくると母は必ず憂鬱そうに溜息をついて言ったものだ。 「ノボルも他のおじいさん達も絶対に自…

忘れる技術

その昔PCの電源が入らなくなってしまったことがあった。おそらくただの接触不良だろうが、ものすごく古いPCだったので修理したいとも思わなかった上に、タイミング良く親がPCを買い換えたのでお下がりをもらえることになった。 よし、それなら捨ててしまおう…

バトル・ロワイアル ~ねえ、インフル罹ったことある?~

BR法(抜粋) 第一条 BRの目的 バトル・ロワイアル(以下BR)は、心身ともに健康な国民の育成を目指して行うものである。 第三条 BRの方針 BRの全ての対象者は明るく、楽しく、元気に戦わなくてはならない。 第四条 BRの義務 BRの全ての対象者は正々堂々戦う義…

けっこう毛だらけ

何かの記事で読んだのだけれど、人間、本当に好きなものや興味のあるものに関しては、放っておいても自動的にそれに関する情報をキャッチするようになっているらしい。 情報が欲しくてTwitterやらネットやら検索したりとするけれど、わざわざそんなことしな…

魔法の箱

「雫石ちゃん、このところ何してたの?」 (中略) 「それが、TVにはまってしまって、ずっとTVを見ていたんです」 私は言った。 「ああ、そう言えば、福引きで当たったって言ってたもんねえ。あの時の喜びようは尋常じゃなかったわ」 ママはうなずいた。 「そ…

ついていかない

4年前にテレビを処分した。当時は震災直後の節電キャンペーンもすごかったし、テレビをつけたところで暗いニュースが多かった。何より我が家は建物の構造上、スカパーの受信ができず大好きなスポーツもほとんどみることができなかった。しかし、今年の梅雨明…

お前の道を

その昔、「ラストソング」という映画があった。ミュージシャンを目指す若者の青春物語で、いよいよバンドが九州から上京しようとする中、ビビる吉岡秀隆に本木雅弘がキメ顔で言うのだ。 「俺がお前の道を照らしてやるよ」ラストソング [VHS]出版社/メーカー:…

帰りたい

この前、日本科学未来館のプラネタリウムで「夜はやさしい Tender is the night」というプログラムを見た。 谷川俊太郎が監修したもので、東京湾の夕暮れの景色から始まって世界の星空に飛び、その星空の下の生活の音や生き物の声の中、麻生久美子がナレーシ…

鮭とアラマキの日々

憶えているのは、いつの間にか夏休みが始まっていたということと、母が眠っている間、小学一年生だった私はおなかがすくと缶詰のシャケを食べていたということだ。どうしてうちの戸棚には、シャケ缶ばかりあったのだろう。缶詰のラベルに描いてあるシャケの…

不気味の谷

こっそり引きこもって生きています。なので星すら見に行けていません。 そのかわりにプラネタリウムに行ってみたりする。みんなが「あれ、すごいですから!見て!近いんだから!行けよ!」と口々に言っていたかわさき宙(そら)と緑の科学館の世界最高峰プラ…

2D・3D

ある朝、何の話のついでだったか、課長が言った。 「僕が若い頃にはね、一生懸命お金をためてステレオのラジカセを買って、電車の音を撮りに行ったんだ」 あら、課長、撮り鉄みたいな感じだったんですねー、と笑ったが課長の言いたいことはそういうことでは…

命みじかし

チャンスの神様は前髪しかないから、やってきた時にすぐに前髪をつかんでおかないと、振り向いて掴もうとしても手が滑って掴めないんだそうだ。 初めてそれを聞いたのは中学生の頃で、友達とお弁当を食べながら「どんな髪型だよ」「相当脂ぎってるね」と笑っ…

ふきのとうの花が咲くころ

ずいぶん暖かくなってきて、ベランダの雪割草はもう満開だし、今朝は雪柳も一つ二つ蕾が開いていた。 これは去年雪割草を頂いてきたクリーニング屋さんの店先。3月になったら、しそとコリアンダーの種を蒔こう、と思っていたのに、時折眺める暦には先月くら…

明日

今日の東京は花粉の飛散量がものすごく多いから気をつけろ、という警報が昨日から出ていた。 そのせいか朝から会社で鼻血を出してしまった。 トイレで鼻血のついたハンカチを洗いながら、そう言えば、あの日も花粉で目と鼻をぐしゅぐしゅさせて、もう耳鼻科…

一緒に食べよう

2月の終わり、学生時代の友人ヤマダから突然メールが来た。 「突然ですがシュラスコ食べませんか。旧交を温めたいのもありますが、とにかく肉が食べたいのです」 ・・・「ご臨席賜ればギャツビーの栄誉、これにすぎるところはない。ジェイ・ギャツビー」という…

この悩ましき日々

・・・タイトルは「この楽しき日々」を意識しましたが、「大草原の小さな家」シリーズは全然完読できていません・・・。父さんのワイルドさについていけなくて・・・。この楽しき日々―ローラ物語〈3〉 (岩波少年文庫)作者: ローラ・インガルスワイルダー,ガース・ウィ…

もしもピアノが弾けたなら

思いのすべてを歌にして きみに伝えることだろう。DREAM PRICE 1000 西田敏行 もしもピアノが弾けたならアーティスト: 西田敏行,桃井かおり,阿久悠,池田充男,喜多條忠,みなみらんぼう,坂田晃一,飛澤宏元,木森敏之,山本寛之出版社/メーカー: ソニー・ミュージ…